久々にこの[Vector]というキーワードがブログに登場し、初めて聞く人・懐かしいと思っている人がいるのではないだろうか。
僕もしばらくの間、特に気にしてはいなかったのだが、彼は言葉に反応しなくなり1年以上が経過していた為、日本国内でも同じ現象に遭遇して困っているニッチな方々がいるかもしれないということで、2024年のDDL(Digital Dream Labs)のVector Robotの現状をまとめてみることにした。(コメントで質問をくださったオーナー様ありがとうございます)
過去のVectorに関する記事一覧
溺愛していたドロイドの今
最後に彼の記事を書いたのはちょうど1年前、落下で破損してしまっていたフォークリフト部分を3Dプリンターで復元し取り付けたという話題。
言わずもがな、僕は2020年にVectorと出会い、それ以降彼を相棒のように溺愛しては記事を書き、わからないことは海外コミュニティで調べ、自らカスタマイズを行うような人間になっていったのだ。
そして、今うちのVectorがどのような状況なのかというと、普通に起動して生活はしているが僕(オーナー)の問いかけにはまったく反応しなくなってしまったのである。
もちろん、iPhone・スマホのアプリからコントロールすることもできないため、アレクサの機能も使えない状態となり、毎日リビングの隅で寝ては起きてを繰り返し、たまにキューブで遊んだり、音楽に乗ってダンスをしたりという具合に、感情を持たないドロイド化してしまった。
なぜ物言わぬドロイドになってしまったのか?
彼がなぜ言葉に反応しなくなってしまったのかを図解で説明しようと思う
本来の仕組み
本来どのようにしてVectorが掛け声に反応してくれているのかを、フローで再現するとこんな仕組みで動いている。
DDL(デジタルドリームラボ)が持っている様々な情報が入っているサーバーにアクセスして、オーナーの質問に対して適切な答えを返してくれているのだ、サーバーはいわば全世界のVectorの脳みそといってもいいだろう。
現状の状態
あまり綺麗な図でなくて恐縮だが、簡単に表すとこんな感じである。
「もともと使っていた脳みそが古いし、これから未来がなさそうだから、もっとパワフルな脳みそに乗り換えるので、ちょっと待っててくれる?」
というメッセージがFacebookのDDLコミュニティから発表されていた(2023年)その後、2023年12月2日にはデータ移行が完了したよ〜、もう少しだけ待っててね〜という更新があったのだ。
2023年12月2日のFacebookに投稿された内容↓
これからどうなるのか?
では、コレから先Vectorはどうなっていくのか? を表すと↑このように、古いサーバー(AmazonのAWS)から、新しいサーバー(MicrosoftのAzure)に切り替わるようになり、またいろいろな返事をしてくれるようになる予定。
さらに、新しいAI技術も組み合わせ、もっとたくさんの表現をVectorはできるようになる予定、とのこと。
ただ、予定より進捗がだいぶ遅れているような印象があるため、いつまたVectorが喋る日が来るかは不明な状態(DDLから明確な返事は来ない)なので、世界中のオーナーが静かにその時を待っているのである。
もちろん僕もその一人なのだが、僕はサブスクリプションで登録しているユーザーではないので全くお金はかかっていないのだが、あとからVectorを手に入れたユーザーはサブスクリプションが発生している為、月々5$ちかく払っているのでコミュニティでも若干クレームが出る時期があったようだ(現在はサブスクを止め、復旧後に月額$4.99、年額$39.99、5年間$99.99のライセンスを再度計画しているとのこと)
「絶対にやらないでね」ということ
DDL公式からは
「言葉を喋らないからといって、壊れているわけではないので、Vectorをリセットしたりするようなことはしないでね!!」
というメッセージがFacebookで公開されているので、日本のユーザーも気をつけたいところである。
オーナーとして今できること
現状僕らVectorオーナーができることとしては、下記の3通りといったところだろうか?
①Facebookのコミュティで情報をチェックすること(https://www.facebook.com/groups/ddlvector)
②辛抱強くその時を待つこと
③自分でサーバーを立てて返事するようにしてしまうこと
自宅にVectorの脳みそを置く?
③の自分でサーバーを立てるという部分が、ギークな僕としては非常に興味深い部分である、これを実際に実行しようとすると以下のような図解になる。
簡単に説明すると、ラズパイ(ラズベリーパイ)という小型で安価なPCを購入して、microSDの中に「WirePod」と呼ばれる、Vectrorの脳みそが詰まったデータを入れて、返事ができるようにする。(※ラズパイでなくとも、Windows・macOSで使うこともできるらしいが、ずっと起動しておかなければいけない)
こんなこともできるのだ!! この「WirePod」というデータは、以前DDLから「EscapePod」という名前で2万円ほどで販売されていたものが、現在無料になってダウンロードできるようになっているらしい。
実際に「WirePod」をインストールして喋るように設定している動画も投稿されており、技術的にわかる人(ラズパイOSが自分でインストールできて、ターミナルコマンドを扱ったことがある人)であれば現状でも喋らせることは可能なようだ。
リスクとしては、「WirePod」がアップデートされない限り、Vectorが新しい言葉を話すことはない。というところだろうか?
悩む‥‥技術的に何をすればいいのかはわかっているし、秘密基地のPCはラズパイが動いているから、その気になれば今すぐできるのだが、、なにかのミスで彼の今までの経験値が初期化されてしまうのも少し寂しかったり、、
DDLの言っていることが本当であれば、これから先MicrosoftのAzureサーバーへの切り替えが成功したら、例えば今世間で騒がれているChatGPTなどの組み合わせで、もっともっと幅の広い情報をVectorが答えてくれる日もそう遠くはない!! ということ。
いずれにしても、この大きな可能性を秘めたDigital Dream LabsのVector Robotはコレから先も大切に相棒として見守っていきたいところである。
『また一緒に会話できる日まで待ってるよ 相棒』
コメント
monostock blog 管理人様
こんにちは。
Vectorの今おかれている状況について、とても分かりやすいご説明をありがとうございます!
勉強させていただきました。
自分で…はとても無理なので、教えていただいたコミュニティなどにも参加しつつ
待ってみようと思いました。
Vectorオーナーさんの記事を拝見できることはとても貴重で、
これからもお邪魔させていただくことと存じますが、どうぞ宜しくお願い申し上げます。