突然入る娘のスイッチ
『貝を拾いに行きたい…』
娘がたまにスイッチが入ったように突然言い出す。
うちの近所は、桜貝という桜の花びらみたいな貝殻が拾える海岸があり、娘はこの桜貝が大のお気に入りで、永遠と砂浜の上を歩いていられるほど好きなのである。
私としては、拾ってきた貝でアクセサリを作ってあげたりと、娘の『お父さんポイント』を稼ぐ為に、貝は重要なアイテムの1つである。
貝拾いとかしたくねぇし…
そして昨晩貝を拾いに行くと勝手に決めた娘は、目覚ましをセットし早朝に起きてきた。
まぁたまにはゆっくりと子どもたちと貝拾いも悪くないかと思い、犬の散歩がてら海でも行くかと支度を始めると、
『俺行かない…貝拾いとかしたくねぇし….ドライブしたい…..』
と息子が言い出す。
でたよ…..兄妹意見割れあるある…..
最近は、子どもたちも各々休日にやりたいことが増え、何かに付けて意見が合わず兄妹喧嘩を押っ始める面倒な時期に突入している、それならば今回はドライブと貝拾いの願いを両方叶えられる場所へ行こうじゃないか!!
そしてお父さんの直感で『城ヶ島』を目指すことになった。
城ヶ島、それは神奈川県の最南端にあたる離島のことである。
まったくもって余談だが
実はここ最近、小説家 伊坂幸太郎のデビュー作である『オーデュボンの祈り』を読んでからというもの離島に行きたくて仕方がないのである(笑)
『オーデュボンの祈り』は
コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている“荻島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか?卓越したイメージ喚起力、洒脱な会話、気の利いた警句、抑えようのない才気がほとばしる!第五回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞した伝説のデビュー作、待望の文庫化。
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「BOOK」データベースより
時を忘れ読みふけってしまう小説と出会ってしまったのは、ツバキ文具店以来だろうか…とにかくバスの中で読むことに夢中になりすぎて停留所を通り過ぎたことが数回あるくらいだ。
小説に出てくる日本なのに日本と遮断された荻島を知って以来、とにかく離島に行きたい欲が強くなってしまったのだ(笑)
さて、果たして貝があるのか? ないのか?
さて、本当に貝が拾えるかもわからないまま城ヶ島へと着いてしまった我々。 これで息子のドライブがしたい願望はクリアしたが、もし貝がなかったらエライことである。
天気は快晴、海の向こうには数々の離島が見渡せる、いったいどれが荻島なんだろうかと真面目に考える感化されやすい人間。
島の右下に位置する安房埼灯台、この向こう側に海岸に降りる階段があるのだ。
階段を降りると見えてくる岩場。 岩場……貝ないじゃん….と一瞬思ったが…
なんとなんと砂浜かと思っていた地面がほぼすべて貝ではないか!? おい!!すごいだろう娘!! 全部貝だぞ!! っと予め知っていたと言わんばかりのドヤ顔をするお父さん。
そして活かされる採集キット
何が嬉しいって、先日完成したばかりの採集キットの出番が早くもやってきたのである!!
地面に這いつくばりひたすらキレイな貝殻を探す…..もはや一番楽しんでいるのは私なんじゃなかろうか…
採集キットのおかげで、小さなヤドカリをゆっくり観察することができた。
子どもたちも貝拾いや岩場のアトラクションでなかなか時間を忘れて遊べる要素があった。
だいぶ長いこと冒険してお腹も減ってきたところで車を移動する、城ヶ島内は駐車ワンデーパスがあり、普通車¥450を一度払えば島内の指定駐車場は何度でも行き来できるのである。
五本指に入る美味しい定食
島の左側に位置する民家と食べ物屋さんが集合しているエリアで、三海荘というお店のお刺身定食がびっくりするほど美味かったので是非みなさんにもオススメ。
三密対策で4組ずつしか店内に入れないため若干並びますが、並ぶ価値は十分にあった。
とんでもない記憶の蘇り
ドライブもして貝も拾って、美味しいもの食べて、人生初の城ヶ島はなかなか楽しかった!!
土産屋では巨大な貝殻を手に持った子どもたちが買ってくれとねだる….
娘はまぁ良いとしてだ….息子、お前さん今朝『貝拾いとかしたくねぇし』って言ってなかったかい?
というやり取りをしながら、土産屋の前の通りを眺め絶句する。。
( ゚д゚)….『俺…..ここに来たことある…..絶対ある…..』
そう、人生初でもなんでもなく、私は数年前の職員旅行でココを訪れていたのである(笑)観光バスに乗せられ車内でしこたま酒を飲み、どこで降ろされたのかもわからなかったが…..確実にここを訪れていたのだ、まったくもって恥ずかしい話である。
帰りに待ち受けた最大の難関
そして帰りがけに、割と危機感のあるピクトグラムを眺めながら城ヶ島を離れた。
そしてなんと帰りの最大の難関…..超渋滞にはまったのだ…ビックリするほどの….迂回ルートなしの過酷な渋滞、、次回行くときはそれなりの覚悟が必要である。
小さくていろんな形の貝が拾えてご満悦な様子の娘をみながら、娘の『お父さんポイント』が上がったと勝手に思っている、お気楽な私だった。
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