2024年3月、すべての仕事を片付けて、15年お世話になった職場を後にした。
転職を決めてから、情けないことにうまいこと心の整理ができず、その都度ブログを更新し色々な方々からメッセージやコメントをいただき、本当に感謝してもしきれないほど….
今回のこの記事を最後に、しっかりと次のステージへ進んでいこうと思う。
15年分の教え子に会えたこと
2月の文化祭・卒業制作展では、僕が最後ということもあり、はるばる教え子たちが会いにきてくれた、在学中楽しいことも辛いことも含めいろんなことがあって、こうやってまた再会できるというのは、やっぱり幸せなことなんだなと…
※ブログ掲載の許可をいただいた方々を掲載しています
改めて15年間でいったい何人を送り出してきたのだろう…その一人ひとりの人生の一部を一緒に歩ませてもらって、今も豊かに人生を進んでいる姿を見ているだけで本当にこっちが元気をもらえるし、僕の方が多くを学び、多くをもらった気がしている。
残念ながらブログで書くことはできないけれど、世の中の誰もが知っているパッケージや広告・イラストレーションを手掛けている教え子たちがたくさんいて、とっくの昔に僕は教え子たちに追い抜かされていたんだな(笑)
本当にステキなデザイナーたちになったことを誇りに思う。
僕と一緒に卒業する最高にステキな奴ら
そして最後に僕が送り出す、というか一緒に卒業するカワイイやつら。
3年間色々あったな〜、恋愛相談や家庭の相談にもたくさん乗ってきて、もちろんデザインのクオリティもちゃんと追求できるカワイイ奴ら
このクラス….僕が今まで悩みに悩んで考えてきた教育計画がすべてうまくいった初めての代、退学者も少なく、コンペ受賞率が過去最高、企業コラボも過去最高、それぞれが最高の個性を持ち合わせているけれど超平和主義者の集まり(笑)そしてなによりデザイナーへの就職率も過去最高という、、すべてがうまくいきすぎて途中で、担任ドッキリでもされているんじゃないかと思うほどだった….
いずれにしても僕を信じて3年間ついてきてくれたこの子達が、記念すべき最後のクラスとなったのだ、本当にありがとう。
最初の教え子達が最後に見送ってくれたこと
2009年、一番最初に僕を先生として受け入れてくれた学生。
新入生ならまだしも在学途中でいきなり入ってきた僕を警戒しながらも受け入れてくれた、なんなら一番仲良くなってしまった教え子たちも、気づけばもう30代の立派な大人。
結婚して親になった子、出世して割と高いポジションで頑張ってる子、ステキなデザイナーそれぞれが色んな人生をちゃんと送れていることに、送り出した人間としては本当に誇りに思う。
そんな子たちが僕の退職を労ってくれて、直球ど真ん中の贈り物をもらう…..こんな幸せな人生の節目があっていいのだろうか、バチが当たって死ぬんじゃないかと思うほど心配になる….
15年前の話に花が咲き、笑いすぎて腹筋痛くなるほど楽しかったよ、ありがとう。
最強の学科を支えてくれた最高の先生方・現場の仲間と最後まで一緒にいられたこと
大事な書類の提出し忘れ、誤字脱字、捺印し忘れ、出さなきゃいけない書類はいつも後回し、それが僕という生き物で、仕事ができる人間とは程遠く、なんなら割と迷惑をかけまくってきた現場の人たち、思えば僕が26の時からお世話になりっぱなしだった。
未熟な僕が七転八倒しながら引っ張ってきた学科を、ガッチリと支え続けてくれた非常勤の先生方、その中には僕が学生時代からお世話になった恩師や小学校の同級生もいる。
そして辛い時もしんどい時も、いつも側にいて僕のメンタルを支えてくれた二人の仲間、理不尽な引っ越し作業で足の裏から変な音が鳴るようになってしまったボス、年下なのにめちゃくちゃ僕をいじってくる愛のある後輩。
でも僕のクラスが崩壊しそうなってうつ状態になってしまいそうな時にいの一番で助けてくれた二人、くだらない話から生まれる最新の教育方法は、遠隔授業や手作り配信ブースとかコロナ禍のどの学校よりも最先端をいっていたと思う。
いつも手探りでどうしたら子供たちが楽しい学校生活を送れるのか、そんなことを真剣に話せる最強の三人だったと思う。
結局最後の最後までみんなに助けられてここまで来れたのは言うまでもなく、情けない学科長を支えてくれたことに、これ以上ないほどの感謝を。
自分の存在価値を今更実感して…
学生には「自己肯定感が低いからもっと自信を持ちなさい」と言い続けてきたけれど、一番自己肯定感が低いのは何を隠そう自分自身だったという話。
昔から慢性的に自己肯定感が低くなってしまう自分は、とにかく何かにつけてストイックな方面にいく性質があり、すべてを”修業”と称し一つのものに長く執着する癖がある。
今回、こうやって色んな人が会いにきてくれて、ありがとうと言ってもらえて、初めて自分が今まで何をしてきたのかを、やっと実感している馬鹿野郎。
自分がしてきたことで
たくさんの人が幸せそうに笑っていて
それを見た時の気持ちが自分が探していたもの
一番欲しかったものだったんだと
それを今回やっと見つけることができたんだな
と大好きな槇原敬之の歌詞のようなことが現実になったことを実感したのである。
じゃぁそろそろ行きます!!
いったいこの記事を何ヶ月書き直して温めてきてしまったのか、でもこれでようやく前に進んでいける気がしている。
変わらない雑多でギークなネタはそのままに、次は新しい仕事での発見日誌としてこのブログはまだまだ続く。
まだまだ末長いお付き合いをお願いして終わりにしたいと思う。
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