先日キッザニアに子供を初めて連れて行った。
キッザニア………名前は知っていたが”子供がお仕事を体験できるところ” そんな浅はかな知識しか持っていなかったのである。
待ち時間を経てキッザニア内部へ入ると、
「ナンジャタウンじゃん!!」
そう、そこに広がる街並みはリアルに構築されたお仕事の街である。
消防車・クロネコヤマト・はとバスなどなど本当に車が走っている。
しかしだ…歩いて行くうちに妙な違和感に気づく。
建物に表記された企業名は本物のロゴ、そしてそこで働いている人たちの制服も本物、しかし全てがミニサイズで子供だらけ。
そしてこんな看板がところどころに存在する。
「なんでもできる、どこでも行ける、それが大人だ」
そう思っていた自分の心が簡単に覆された、まさか36年間生きてきて大人が入れない場所が存在するとは……
子供達にはジョブカードと呼ばれる、お仕事を何時から体験できるかを記録してくれるカードがある、これを首からさげて体験したい場所で受付をするのだ。
各お仕事の受付にはこんな札があって「今から予約するとこの時間から体験できるよ」といった感じだ、1回に予約できるお仕事は1件までで終わると次の体験を予約できる。 でも予約した体験まで時間がかなり先の場合は、すぐにできる体験に予約せずに参加することもできる。
うちの子は2人、まず手始めに警察官の体験から
楽しそうじゃないか、、こんな本物さながらの衣装を身にまとい、犯人の指紋や足跡をとりにいくミッションなんて大人がやったって楽しいに決まっている、心の何処かで羨ましさが芽生える。
そして楽しそうなミッションを追えると、なんと給料が貰えるのだ!! キッザニア内部で使える通貨「キッゾ」と呼ばれるお札を手に入れることができるのだ。
東京メトロでは、運転士・車両整備員・軌道作業員の3つの中から選べる、息子は車両整備員を選ぶ。
列車の車体を浮かせ足回りの点検を行っている、項目を一つずつ確認しながらチェックを入れる、電車の足回りに入れるなんて自分が小さかったときにこれができたら鼻血モノである、おそらくデザイナーではなく今頃整備士になっていただろう。
↑小さい時から電車にはこれっぽっちも興味を示さなかった息子が運転士をやるといった瞬間、鉄道マニアの私の父がニヤニヤしている顔が頭に浮かんだ。
ほらジージ見てやってくれ、孫が電車の運転台に座ってるよ(笑)それにしてもこうやってカワイイ子供たちが頑張って電車の仕事をしているのを見ていると、自分が使っている通勤電車の人たちにももっと敬意を払わんといかんな…と勝手に思っている。
次は警備員ALSOKのお兄さんになって新聞社から現金を預かってくるミッションである、この防弾チョッキがひどく気に入った息子は中学くらいになったらサバゲーに手を出すことはほぼ間違いないだろう……
それにしてもカワウソみたいなALSOKだ。
お次はANAパイロット、制服に身をまといなんだか妙に凛々しく見えてきたのはきっとパイロットのコスチュームがそうさせているんであろう。
忘れてはいけない、君はANAには散々世話になっているんだ、今日はその制服を着て是非R2D2JETを飛ばしている気分になってくれ。
一方娘はというと、やりたい職業がお兄ちゃんとは異なるためママと行動し、念願だったモデルになりランウェイを歩く、そしてガソリンスタンドのアルバイトをし石けん工場で牛乳石けんの製造に携わる。
それにしても……この昭和感まるだしのカワイイ衣装がやたら似合う娘、戦後の日本を支えてきた女達のような貫禄である。
散々体験をしてあっという間に21:00…子供にしちゃとんでもない残業をしている。 最初に作った三井住友銀行の口座にあるお金をATMでおろして三越でお買い物をする。
この三越のショウウィンドウに置かれた商品たちですら子供たちが作っているんだから微笑ましいではないか。
「お金余ったからちょっと口座にいれてくるわ」
というなんとも生意気な口ぶりで銀行へ消えていく息子。
しげしげと外から様子を見ていると………キャッシュカードを口にくわえ札束を数える息子………あれはまさに給料日の銀行の列に並ぶ自分とまったく同じ仕草である…怖くなったので途中でそっと見るのをやめた。
子供が体験している待ち時間で独りで思っていたことは、この世界にいる大人たちは子供に向かって喋るのではなく、常に対等の立場で仕事をする人間として接してくれる、それ故に子供たちが仕事の楽しさを覚え、頑張って働けば相応の対価があることの大切さを学んで行く…そのすべてのシステムに感動した。
ついつい仕事の嫌な部分ばかりに焦点を当てている自分だが、もっと単純にキラキラしていて子供たちの憧れる職業に今自分が立っていることを忘れてはいけない、キッザニアに来て学んでいるのはもはや我々大人の方なんじゃないだろうか……
そしてもはや現実の大人の世界にもキッザニアが必要なんじゃないだろうか……
アダルタニアという名のハローワークで転職活動をできないものだろうか……社会の汚いところばかり考えて転職を考えるより、良いところだけを見て転職できるアダルタニアが欲しい ← くだらない大人の妄想
こうしてキッザニアも終わりの時間を迎え、たくさんの転職活動を繰り返した子供たちは、帰りの車で爆睡。
お父さんは、なんだか君らが少しだけ大人になったような気がしたよ。
コメント
takaya様
アダルタニア…何ででしょうか…アダルトという言葉が付くと、
少し怪しくなるのは(笑)
でも、おっしゃるとおり、大人になってからこそ、
いろいろな職業を体験したいと思うんです。
アダルタニアで、大人たちは、どんな職業を選択するのかなぁ。
私は…手術時の器械だし看護士かなぁ(笑)
takayaさんは???
Michiko様 いつもありがとうございます(*^^*) そうww、自分で考えておいてアダルタニアってwwwって思ってました(笑)
Michiko様は医療関係のお仕事をされているのですか? うちは妻が看護師なので子どもたちが看護師を体験するかと思ったら目もくれず(笑)
私もキッザニアにいるときに、なんの職業だったらやってみたいんだろう…とマップを見ながら考えたのですが………
なんか今のデザイナーと先生が一番好きな気がして(^_^;)きっと天職なんだろうなと思いました、でも憧れといえば消防士かな〜(^_^)