3月も半ばになり、大きな爪痕を残したインフルエンザ流行が過ぎ去ろうとしていた、昨年打ったインフルエンザワクチンというバリアに守られながら
『よし!! 今年はかからなかった、インフルエンザよ残念だったな』
そう思っていた矢先だった….
なんか息が苦しい….そして後頭部を剣山で刺されているような頭痛が始まった….インフルエンザ!? いやそんなバカな、だって昨年ワクチンを打ったじゃないか…そうだ、もしかかったとしても、重症にはならないはずだ。
そう思いながら帰宅する、しかし熱はみるみる上昇し気がつくと38℃にまで上がっていた。
体温計を見つめ、瞬時に見て見ないふりをした…ちがうこれはインフルなんかじゃない、明日は休んだら本気で殺される…明日は休めない明日は休めないそう思いながらロキソニンを一錠のみ眠った。
次の日は昨日の熱がウソのように下がり、まったくなんの問題もないように仕事へと向かった、これでこの日は殺されずにすんだのだが…
長い戦いはここからだった
帰宅後….剣山を頭に押し当てハンマーで思いっきり殴られているような頭痛と寒気が襲い…耐え難い苦痛のまま夜を過ごした….
何百本という釘を打ち込んで、もう一度キレイに抜き取るという、意味のわからない夢が永遠と繰り広げられた…
脳みその遠くの方で『終わった…..』確かにそう聞こえた。
次の日ついに耐えかね近くの病院へ、というか嫁に搬送。
『インフルエンザA型へ感染。』
あの忌々しいインフルエンザがこっちを見てほくそ笑んでいる、ちくしょう…お前なんかタミフルですぐにここから出て行ってもらうからな…覚悟しておけよ。
嫁・子供から引き離され奇しくも4.5畳ほどの2階の部屋へ隔離された私の長き戦いが始まった。
なぜかエビに感染する
タミフルを飲んでしばらく休み…パッと目覚めると、なにか映画が一本観たくなる衝動にかられるAM2:00
そうだSFだSFを観てこの隔離された部屋をまるごとSFにしてみたらいい。
読者はいったい何を言っているのかちょっとわからないだろうが、実は私もわかっていないのだ、今思えばこの時点でタミフルの恐ろしい力に支配されていたかもしれない。
そしてなぜか選んでしまった『第九地区』という映画。
インフルエンザ感染してタミフルで朦朧としている状態でエビを観た私は完全に心がヴィカスになってしまったのだ。。。
このまま感染が続けばいよいよ自分もエビ人間になる、今すぐに子供達を抱きしめなければ明日の朝にはきっとこの腕がエビに….明け方の隔離部屋からすすり泣く声が….今平常心で書いている自分でも怖いがこれもきっとタミフルの恐ろしい力の1つだろう…
私は昔からタミフルとの相性がすこぶる悪いのだ、以前タミフル服用中に起床し鼻唄を歌いながら出勤の準備をし、全力で嫁に止められたことがあるほどだ。
この時すでに40℃前後を繰り返す生活が続いている…
そして恐れていた事態が…
我が家は共働き…この日に限って嫁が夜勤というおそろしい日が来てしまったのだ….子供に感染しないように子供の面倒をみる、そんな神業があるだろうか?
ないのである。
さすがの嫁も旦那は戦力外と判断し、イチカバチカ小1の息子にすべてひらがなで書かれた『しじしょ』を託したのである。
わたしの出番は1度きり、スパゲティをチンするという大役が与えられた。
宿題をやって妹にオヤツをやり、お風呂に入って、夕飯を食べ、歯磨きして兄妹だけで眠りにつく、北の部屋(隔離部屋)はぜっっったいに開けないこと、パパに用があるなら携帯で1Fから呼び出せと。 徹底した教育だ…..
いよいよスパゲティの時間である、2F北の部屋よりヨレヨレとおっさんが階段をおりていく、元気なフリをして子供達のスパゲティをチンするのだ。
すると息子より一言
『もう頑張らなくていいから、チンだけして寝ててね』
『もう頑張らなくていい….』 いったいいつからこんな胸に刺さるような発言ができるようになったのだろうか、チンをしている電子レンジを眺めるフリをしてボロボロと涙を流している情けないおっさんである、そう…もうこのままエビになってしまっても悔いはないだろう。
そして妹を寝かしつけるまでのすべてのミッションをこなした息子が最後にどうしようもなくなり私を呼んだ、妹が『ママがいい〜』と号泣している…もうこればかりはどうしようもできない….切ないお兄ちゃんとインフルのおっさんは2人がかりで妹を落ち着かせなんとか寝かしつけたのである。
そもそもなんでワクチンが効かなかったのか..
確かに打ったはずのインフルエンザワクチン、私はこの有料でレベルの高いバリアに相当な信頼をおいていたのだが、後々ワクチンにも期限が存在することを嫁から聞かされ、ちょうどその効き目がなくなったあたりでインフルエンザに感染したことが発覚したのである。
壮絶な苦痛の後におとずれた変化
感染から7日、熱がなかなか下がらず、なにも食べない日々が続き…色んな変化が….
まず痩せた、そして食欲が以前のようにまったくなくなった、食べることに対しての楽しさを見いだせなくなってしまったのだ。
花粉症が消えた….なぜかはまったくわからないが、あれだけ辛かった花粉症がまったくなくなってしまった。
そして人生で一番の変化が…..
酒が飲めない…..
飲みたいという気がなくなる上に飲んでも少量でよくなる…あんなに大好きだった酒が…自分でも信じられないくらいである。
結果的にインフルエンザで健康になっている自分がいるわけで、プラス思考で考えると毎年かかった方がいいんじゃないかと….
みなさんは間違っても参考にしないように。
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