さっき一本の電話がかかってきた、学生からの電話だった。
「今日すみませんでした、あんなコト言っちゃって…。また見てもらってもいいですか?」
相手は誰だかすぐにわかった、1年生の男の子。コンペティションに出す授業を受け持った学生からの電話だった。午前授業から始まり、全員がコンペ作品を作っている中彼も一生懸命作っていた。
思った以上に時間がかかり、これはきっと終わらないぞっと予感、昼休み突入で制作・プリントアウトまでこぎつけるようアドバイスを続けた。昼休みも終わる頃に彼が一言言った。
「こんな作品じゃ入選なんかできない。あー全然ダメダメっす。」
正直複雑な心境だった、、ここまで頑張ったのにそんな事言い放つとは。。
その時は何も言わずに、プリントアウトした彼の作品を渡してあげた。
「大丈夫、今日はよく頑張ったな、、賞を取るために作品なんて作らなくていいよ、大事なことはどれだけケンタが大事だと思える作品にできるかだから、もっと違う視点で見てみな。また出来たらいつでもいいから見せてよ、夜ならメールで送りな。」
彼の発言にどうこうじゃなくて、彼が今日の自分の作品・発言・態度から何かに気づいたのが何より嬉しかった。
俺だって偉い人間じゃないから偉そうな事は言えない。先生風を吹かせるのもあまり得意じゃない。
なら一緒にいい作品ができて、勉強出来れば良いと思ってる、それなら大事なのは賞を取る事じゃないでしょ、無駄な事とか無駄な作品なんて1つも存在しないんだよ。
ホントきれいごとじゃなくて。
電話が終わったあと、今日一日にあったことが全て繋がった。
昼食を取らずに昼休みを削った放課後に、そっと自分のデスクの上に置かれたコンビニの袋のことも。中にSOYJOYとC1000が入っていた。
『あいつ…やられた〜』
っと物凄い鈍感な自分に完敗…
そんな1日…。
コメント
いい学生だね。。