今年も淡々と鯉のぼりを組み立てる、もう説明書を読まなくても組み立てられるようになったということは、少しは父親としても成長した証だろう。
鯉のぼりをあげる理由は?と聞かれれば紛れもなく我が子のためと答えるだろう、ただ今年はなんだか新しい理由に気がついた、それは社会人になり奮闘し続けている教え子のために鯉のぼりをあげている自分がいるということに。
近くの公園にも巨大な鯉のぼりが飾られ、風を受けてバタバタと大きな音を立てながら空に向かって泳ぎ続けている。
その姿はまるで社会の流れに逆らったり、身を委ねたりしながら、人生の目標に向かって登っていく教え子たちだと思うと、たまらなく笑みが溢れた。
『みんな元気か?頑張ってるか?』
そう思いながら、帆を張るように勢いよくロープを引っ張る。
おそらくこれから先子供が巣立ってしまっても、教え子たちを労うために毎年こうやって上げている自分がいる気がした。
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