『来年は学生と一緒に作品を展示してみませんか?』
という職場の後輩からの提案から1年……ついに我々が作品を作るときが来た…
270mm×270mm正方形の中であれば何を表現してもいいというテーマで、自分はいったい何を表現しようかと散々悩み…数十年の時を経てイラストを描いてみようと思った。
自分なりのテーマは複雑すぎる工程を経て究極の一杯になるコーヒーメーカー
である、
である、発想はバック・トゥ・ザ・フューチャー3に出てくるドクが作った巨大製氷機だ。
しかし、日頃からイラストを描いていない私は画材に慣れていないため、とんでもない深い悩みの渦の中へと突入していくのであった…
コーヒーメーカーならコーヒーを使ってみる
紙をどうやって古く見せようか考えた末、ヴィンテージな質感を出したくコーヒーに漬けることにしてみた。
実はコーヒーにたどり着く前に色々と実験を試みてみたが、一番いい質感が出せるのがインスタントコーヒーだったのだ。
複雑な機械のパーツ・設計図の下書きをした用紙をコーヒーに漬けてみたり
英字新聞を印刷して↓
染めてみたり……とにかく色々と試しては失敗しを繰り返していた……この染めた紙は何に使うって…作品の背景に使うものなんだが…一向に前に進まない…
線画のインクもコーヒー色
なんとかイメージ通りの用紙に仕上がった、次の課題はどのインクを使って何で描くかだ…
黒いミリペンで描くにはちょっと強すぎる気がして、思いついたのが先日購入した前回の記事で書いたパリ生まれのインク、エルバンのティーブラウンだ、深いコーヒーのようなブラウンが今回の作品にはあっていると思ったのだ。
そのインクをPILOTの万年筆、KAKUNOに入れて描いてみた。ここまで到達するのに1ヶ月ちょっと………どんだけ悩んでるんだ(^_^;)
仕上がったパーツを、コーヒーで染めたイラストボードにレイアウトしていく。 ようやく作品の行き先が見えてきた…
いよいよ本イラストへ着手
そして始まった本イラストの描き始め。
下書きを繰り返して、万年筆でペン入れを進める、そして一通り描き終えてからスキャナーでスキャンして、パソコンに取り込み一度インクジェットプリンターで出力して、もう一度トレースしていく。
なんでそんなにトレースを繰り返すかというと、万年筆は水性インクなので、このあとの着彩でインクの滲みを少なくするためにインクジェットの顔料で定着させる作戦。
そして、着彩方法でも散々悩む(笑)水彩絵具・不透明水彩・コピック・色鉛筆……結果的にはネオピコを重ね塗りしていく方向で進める。
塗っている最中で集中しすぎて、写真を撮るのを忘れる(笑)何度も重ね塗りをして↓
完成!!
背景の処理を最後まで悩んだが、色々とアドバイスをもらって切り抜き処理で配置してみる。
タイトルは【 BEST CUP 】
描き終わって…
こんなにちゃんと作品を仕上げたのは、正直学生以来だろうか…途中終わらないかもしれない、とか少し気持ちが折れてきてしまったりとか、仕事の緊張感とはまた違う懐かしい感覚をまた味わうことができた。
今年の文化祭はオンライン開催のみとなってしまったが、こうやって学生や日頃お世話になっている先生方と作品を並べることができるのはすごく楽しい。
同じサイズだけど千差万別、楽しい機会を作ってくれてありがとう(^^)
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