グラフィックデザイン・Webデザイン業界の就活で使用するポートフォリオでは、自分らしさを表現するために、単にスキルを示すだけでなく、個性や価値観を反映させることが大切です。
今回は、自分らしさの表現方法としていくつかアイデアをあげてみたいと思います、是非ポートフォリオ制作の参考にしてみてください。
1. 自己紹介にユニークな要素を加える

- ビジュアルプロフィール: 写真やイラスト、キャラクターなど、自分を表現するビジュアルを使うことで、より親しみやすさを感じてもらえます。
- キーワードやスローガン: 自分の強みやモットーを短い言葉で表現してみましょう。たとえば、「シンプルで洗練されたデザインを追求」や「アイデアの力で視覚を超える」など。
- デザインの哲学: どんなデザインを目指しているのか、自分のデザインに対する考え方やアプローチを言葉や図解で示すことで、深みを感じてもらえます。
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昨今はイラストで自己表現する学生が圧倒的に増えています。 特にコミックイラストテイストでの表現が多く、企業側の印象で捉えると『みんな同じようなテイストのイラストレーションになりすぎて個性を感じられない』というデメリットにも繋がりかねません。 もちろん受ける企業のジャンルによっても異なりますが、もしイラストレーションで表現を考えるのであれば、あえて2Dデジタルイラストでの表現を避け画材を使用したイラスト表現や、版画やコラージュなどでの表現もアイデアとしては有効かもしれません。
また、写真での自己表現は必ず自分で撮影したもの、もしくはスタジオなどでライティングなどをして撮影した表現も有効です、理由としては表紙から『写真が好き・こだわりたい』という意思が伝えられるので、それも含め作品としてPRできるからです。 もちろんスナップショット的なものでの表紙表現もありますが、スナップショットにした理由などが明確になっている必要があります、
2. インタラクティブな要素を取り入れる

- アニメーション: 自分のポートフォリオページにアニメーションを使って、動きのある表現を加える。例えば、自己紹介のセクションがスクロールとともに変化したり、デザインのヒントを動きで伝えるなど。
- ホバー効果: マウスオーバー時に文字や画像が変化するなど、インタラクティブな要素で訪問者の興味を引きます。
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インタラクティブな表現は当然紙媒体では表現できないものになってきます。これはWeb版ポートフォリオなどで有効になる表現です。 ここで重要になってくるのは、紙のポートフォリオとWebポートフォリオの統一感という部分になります、例えば紙のポートフォリオ表紙で使用している表現を、Web版のヘッダーにも使用しアニメーション表現にしてみるなどのアイデアが良いかもしれません。
3. 過去の経験やストーリーを語る

- デザインの旅: 自分がどのようにしてグラフィックデザインに興味を持ち、成長してきたのかをストーリー形式で紹介。具体的なプロジェクトや、挑戦して乗り越えたことを交えて書くと、より共感を呼ぶことができます。
- ポートフォリオ内で進化を見せる: 初期の作品から現在の作品に至るまでの進化を見せることで、自分がどれだけ成長したか、どのようなスキルを磨いてきたかが伝わります。
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過去のストーリーに関しては自己PRのページやポートフォリオ最後に『あとがき』のような表現で使用することが良いかもしれません。
私が過去に学生のポートフォリオの自己表現でおもしろいと思ったのは、『曲がった伸び方をした木』を自分自身になぞらえて書いたページがありました、その曲がった木は自分自身の人生を表現しており、その形になるにはそれなりの理由がある、曲がっていてもそこに到達するまでの自分のプロセスを含めたポートフォリオになっているから是非目を通してほしいというメッセージが込められたもので、非常に興味深くなったのを覚えています。
よくある悪い例としては自分の過去や経験を多く語りすぎて本来見せるべきポートフォリオの趣旨がからズレてしまい、採用担当者の判断基準から外れてしまうこともあるため、あくまで『添える』というイメージが良いかもしれません。
また進化を見せるというのは、ビフォーアフターという表現でページ内に納めるという方法もありますが、こちらも企業によっては『今のあなたの実力を見たい』という趣旨の場合は有効でないケースがありますので、上記の過去ストーリーと同じような『添える』という感覚が良いかもしれません。
4. 自分の好みやインスピレーション源をシェア

- デザインの影響を受けたもの: どんなアーティストやデザイナー、映画、音楽、旅行などが自分に影響を与えているかを紹介する。自分のデザインの根底にあるインスピレーションを共有すると、あなたの作品に対する理解が深まります。
- 好きなカラーやフォント: 使用するカラーやフォントがあなたの個性や好みにどう影響を与えているのか、デザインの選定理由を簡単に説明することも効果的です。
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映画・音楽・旅行というジャンルは幅広い年齢層に対応できるネタになりますので、自己PR内に記載しておくこともオススメします、趣味嗜好の一致がきっかけで面接のステージに進めることもありますので一度振り返って自分の好きな物をピックアップしてみても良いかもしれません。
好きなカラーやフォントに関しては、『その色にした意味』『そのフォントを使用する意味』をしっかりと持っている必要はあります、実際に面接でも『このカラーリングにした意味はなんですか?』という質問をされることもありますので、ただ単に『自分が好きな色だから』という答え方ではなく色が与える他者への影響も含めた考え方は大切になってきます。
5. クライアント目線で考えた提案

- 問題解決型アプローチ: ただ自分の作品を並べるだけでなく、クライアントにとってどんな課題を解決したのかを示すと、自分のプロフェッショナリズムが伝わります。「このデザインでこんな問題を解決しました(してみたい)」といった具体的な成果や想いを見せるのもポイントです。
- 未来の提案: 自分が今後挑戦したいテーマやプロジェクトのアイデアを少し紹介すると、未来に対するビジョンを持っていることが伝わります。
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この『クライアント目線で考えた提案』というのはポートフォリオを作る上で非常に重要になるポイントといっても過言ではないでしょう。
もちろん学生なので実際に実務経験がない場合はクライアント目線に立って考えることはなかなか難しい課題かもしれませんが、これは実際に自分が街をリサーチした結果『このパッケージはもっとよくなるな』や『このポスターは意味が伝わらないからこうしたいな』という実際に表に出ている制作物を題材を使用して、自分なりに作り替えたものをポートフォリオに入れてみるというのは、企業側からしても興味深い作品になってきます。
6. ポートフォリオをデザインとして魅力的に

- 一貫性のあるデザイン: ポートフォリオ全体のデザインに統一感を持たせることで、プロとしての印象を与えることができます。カラー、フォント、レイアウトを一貫して使用し、プロフェッショナルな見栄えに仕上げましょう。
- 視覚的に目を引くヘッダーやセクション: 自分を表現するためのページの最初の部分(例えば「私について」セクション)を特に魅力的にデザインすることで、採用担当者の関心を引きます。
7. 動画やモーショングラフィックスの活用

- 自己紹介動画: 自分の声や顔を見せることで、ポートフォリオに温かみや親近感を加えることができます。短い自己紹介の動画を組み込むのも一つの方法です。
- モーショングラフィックス: グラフィックデザインのスキルを示すために、ポートフォリオ内で軽いモーショングラフィックスを使って動きや変化を加えると、デザインの幅広さを伝えることができます。
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これは、前述の『2. インタラクティブな要素を取り入れる』の部分でも触れていますが、紙のポートフォリオのデザインをベースとした統一感を前提に動画の作成を行いYoutubeなどにアップし、Webポートフォリオに埋め込んだり、QRコードでアクセスできるようにしておくこともオススメのアイデアです。
紙やWebのポートフォリオではなかなかその人の『人となり』は見えてこないこともありますので、その人の容姿・立ち振る舞い・しゃべり方などをPRして、他の就活ライバルに差を付けた表現というのはアイデアとしてはかなり有効だと思います。
8. ユニークなビジュアルアプローチを取る

- カスタムイラストやアイコン: 自分のポートフォリオにオリジナルのイラストやアイコンを加えることで、他のポートフォリオとの差別化を図ることができます。
- エクスペリエンスを視覚的に表現: デザインプロセスやワークフローを視覚的に示す(例えば、フロー図やマインドマップ)ことで、クリエイティブな思考を伝えます。
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イラスト・アイコン・フロー図などの視覚的にわかりやすい表現というのはポートフォリオの要素としては重要なポイントになってきます。ただ、気をつけた方が良いのは、『意味のないアイコン』『スタイリッシュなだけで意図が伝わらない図』を使用しないように心がけることが大切です。 デザインの基本ではありますが、イラスト・アイコン・図は文字だけではわかりづらいものを視覚でわかりやすくするもの、という認識を忘れないようにしましょう。
如何でしたでしょうか? これらのアイデアを取り入れて、自分らしい個性が光るポートフォリオページを作成できるといいですね!