紙媒体のグラフィックデザイン業界に就職を目指す学生に向けて、就職活動に向けた準備で大事にすべき点を以下にまとめます。
これからの業界で活躍するための基盤を築くために、しっかり準備しておくことが大切です。

まず始めに
昨今グラフィックデザイン業界は紙媒体にとどまらず幅広い分野での活躍をしている企業がたくさんあります。そのため専門学校でグラフィックデザイン・ビジュアルデザインの分野を専攻で学んでいる学生にとっては、パッケージデザインやポスター広告のデザインに特化した企業を就活で探しがちになってしまいますが、紙媒体のみの制作を行っている企業は国内ではほぼないのが現状です。
もちろん紙のデザインの仕事が一切できないということではなく、紙のデザインに携わりたいのであれば、紙以外の広い視野を持ってポートフォリオ制作を行ったりする姿勢が重要になってきます。
それでは、グラフィック・Webデザインの業界の就活に役立つポイントをまとめていってみましょう。
1. ポートフォリオの準備

ポートフォリオは、グラフィックデザイン業界で自分を売り込むための最も重要なツールになります。採用担当者に自分のスキルやセンスをアピールするために、以下のポイントに注意して作成しましょう。
- バラエティ豊かな作品を載せる:紙媒体に特化した作品(雑誌、広告、パンフレット、ポスターなど)を中心に、デザインの幅や柔軟性を見せられるようにします。
- プロセスを説明する:単なる完成物だけでなく、そのデザインに至る過程やコンセプトを説明することで、考え方やアプローチ方法を理解してもらえます。
- 最新の作品を含める:最新のデザイン技術やトレンドを反映した作品を載せることが、業界の動向に敏感であることを示せます。
- 受けたい企業の作品を知る:自分が受けたいと思っているデザイン事務所のジャンル・作品をよく研究しましょう、例えばパッケージに特化している会社に編集デザインを多く取り入れたポートフォリオを送っても、『会社であなたの力は発揮できない』とみなされ専攻から外れてしまいます。 重要なのはポートフォリオのファーストインプレッションで『うちで活躍できるかも!』と採用担当者に思わせるポートフォリオを意識することが大切になります。
2. 技術スキルの習得

紙媒体のグラフィックデザインには、Adobe Creative Suite(Photoshop、Illustrator、InDesign)などのソフトウェアスキルが求められます。これらのツールを使いこなせることが、業界において非常に重要です。
- ソフトウェアスキル:Adobe製品に加え、タイポグラフィ、色彩設計、レイアウト設計などの基本的なデザインスキルを磨いておきましょう。
昨今ではFigmaなどの情報設計アプリケーションなどのスキルも企業から注目されています、学校で習っているツールだけではなく、興味を持ったアプリケーションを少しでも触ってみることは重要です。 - 印刷の知識:紙媒体ならではの知識(印刷の工程や解像度、カラー管理など)も重要です。印刷物が実際にどのように仕上がるかを理解することが求められます。
3. 業界のトレンドに敏感になる

デザイン業界は常に進化しています。新しい技術やトレンドを取り入れることが、自分を他の候補者と差別化するポイントになります。
- デザインの流行をチェック:現在のデザインのトレンドや流行、特に紙媒体に関連するスタイルやフォーマット(例えば、レトロデザイン、ミニマリズムなど)を常にチェックしておくと良いです。
- 業界の事例研究:成功した広告やデザイン事例を研究して、どのようなアプローチが効果的であったかを学ぶことも役立ちます。
4. ネットワーキングとインターンシップ

業界内での人脈を広げることは、就職活動において非常に大きな力になります。就職先を見つけるためには、積極的にネットワーキングを行い、インターンシップを通じて実務経験を積むことが大切です。
- 業界イベントやセミナーに参加:デザイン関連のイベントや講演会、展示会に積極的に参加して、業界の先輩や他のデザイナーと交流しましょう。
- インターンシップに応募:実際の業務を経験することで、企業が求めるスキルを理解し、実務の中で学びを深めることができます。
5. 自己分析と強みのアピール

自分がどんなデザインを得意としているのか、どんな個性があるのかをよく理解し、それを面接やポートフォリオでしっかりと伝えることが重要です。自分の強みや特徴を意識することで、他の応募者との差別化が図れます。
6. 職務経歴書と履歴書の作成

デザイン業界の職務経歴書や履歴書は、他の業界と少し異なる部分もあります。単なる職歴の羅列だけでなく、自分がどんなプロジェクト(実学実習やグループワーク・インターンシップ)に携わったのか、その中でどのような役割を果たしたのかを明確に示すことが重要です。
- 具体的な成果を示す:過去の実績やプロジェクトにおける成果(たとえば、売上の増加や反響の良かったキャンペーンなど)を数値で示すと、採用担当者によりインパクトを与えることができます。これは学生にとってはなかなかハードルが高いように思えますが、個人的な活動(ハンドメイドの販売やイラストの依頼)などを取り上げてポートフォリオでアプローチすることも有効です。
7. 面接の準備

面接は単なる技術的な能力だけでなく、コミュニケーション能力やチームワークを重視される場でもあります。自分のデザインのバックグラウンドやこれまでの学びをわかりやすく伝える練習をしておきましょう。
- 自己紹介の練習:自分の強みやデザインへの情熱を、簡潔にかつ魅力的に伝える練習を繰り返しましょう。
- チームでの仕事経験:デザイナーはしばしば他のメンバーと協力して働くので、チームでの仕事の経験や協調性を示せるエピソードを準備しておきましょう。
8. フィードバックを受け入れる姿勢

デザインの仕事ではフィードバックを受け入れることが重要となり、改善点を素直に受け入れ、自分のスキルを向上させる姿勢を見せることが大切です。
これらのポイントを意識して準備を進めることで、紙媒体のグラフィックデザイン業界での就職活動をより有利に進めることができるでしょう。最終的には、自分のデザインに対する情熱と、継続的に成長しようという姿勢が最も大切です。